- 2025.03.08
- 2025.03.08
フラット35とは?他の住宅ローンにない特徴や審査基準、メリットを解説!
マイホーム購入を検討する際、住宅ローン選びは重要なポイントの1つです。その中でも、フラット35という長期固定金利型の住宅ローンを耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、「フラット35とはどのような仕組みなのか?」」「審査基準や金利は?」と疑問を感じている方もいるでしょう。
本記事では、フラット35の基本的な仕組みや特徴、審査基準について詳しく解説します。メリットや注意点もあわせて解説するため、フラット35の利用を検討中の方はぜひご覧ください。
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フラット35とは?
フラット35とは、住宅金融支援機構と全国300以上の民間金融機関が提携して提供する長期固定金利の住宅ローンです。住宅金融支援機構は民間の金融機関ではなく、国土交通省と財務省によって管轄される独立行政法人となっています。
引用:フラット35「初めての方へ」
長期固定金利の住宅ローンは提供側にとってリスクとなるため、民間からは提供が難しいとされています。しかし、住宅金融支援機構が関わることで多くの人が利用可能となっているのです。
フラット35の特徴
フラット35には、民間の金融機関オンリーで提供される住宅ローンにはない特徴が存在しています。フラット35ならではの特徴は、主に次の4点から説明できます。
- 返済期間の全ての金利が固定
- 団体信用生命保険(団信)の加入が任意
- 保証人や繰上返済手数料が不要
- 性能の高い家向けのフラット35S
それぞれの特徴の詳細を解説します。
参考:フラット35「全期間固定金利の住宅ローン 【フラット35】」
返済期間の全ての金利が固定
フラット35の最大の特徴は、返済期間中の金利がずっと変わらない全期間固定金利型(長期固定金利型)であることです。一般的な住宅ローンでは変動金利での提供が多いところ、フラット35は借入時に確定した金利が完済時まで適用されます。
将来的な金利上昇のリスクを避けて住宅ローンを借り入れできる点はフラット35ならではです。返済額を一定に保てるだけでなく、市場金利の変動による返済額の増減を避けることができます。
団体信用生命保険(団信)の加入が任意
フラット35の特徴の1つとして、団体信用生命保険(団信)への加入が任意で選択できる点が挙げられます。団信とは、住宅ローン契約者が死亡または高度障害状態になった場合に、残りのローンを保険で支払う仕組みのことです。
一般的な住宅ローンでは団信の加入が義務付けられていることが大半ですが、フラット35では未加入でも融資を受けることができます。団信は持病や病歴を持つ場合に加入ができないため、健康状態に不安がある人でも住宅ローンを利用しやすくなります。
保証人や繰上返済手数料が不要
保証人や繰上返済手数料が不要である点もフラット35の特徴です。一般的な民間の住宅ローンでは借入時に保証人や保証料の支払いが求められますが、フラット35では住宅金融支援機構の存在から保証が不要になるのです。
また、住宅ローンを早めに返済する繰上返済を行う際、多くの民間金融機関では一定の手数料が発生します。しかし、フラット35では繰上返済手数料がかからないため、余裕があるときに返済額を減らしやすいのです。
手間や手数料を省いて柔軟に利用できるのも、フラット35ならではと言えるでしょう。
性能の高い家向けのフラット35S
フラット35には、耐震性や省エネルギー性に優れた住宅向けのフラット35Sという商品も用意されています。フラット35Sは一定の技術基準を満たした高性能な住宅に適用される住宅ローンで、通常のフラット35よりも一定期間金利が引き下げられます。
フラット35Sの適用を受けるためには、住宅の性能を書類で証明する必要があります。不動産会社や施工業者に相談しておきましょう。
また、金利の引き下げ期間は基本的に利用開始から5年間となっています。適用期間の経過後は通常のフラット35の金利が適用される点にも注意が必要です。
参考:フラット35「【フラット35】Sとは?」
フラット35の審査基準
民間の金融機関が提供する住宅ローンの審査基準は基本的に非公開となっています。しかしフラット35は審査基準を一般公開しているため、事前に詳細なチェックが可能です。
次の2ポイントから、フラット35の審査基準を紹介します。
- 申込人の要件
- 建物の要件
それぞれの基準の詳細を解説します。
申込人の要件
フラット35を利用するためには一定の審査基準を満たす必要があります。申込人の年齢や収入、信用情報の状況などがチェックされる点に注意しておきましょう。公開されている基準は次の通りです。
- 申込時の年齢が満70歳未満(親子リレー返済の場合は満70歳以上も可)
- 日本国籍または、永住許可者・特別永住者
- 信用情報のチェック
- 資金用途が申込本人また親族が住む住宅の建設・購入資金である
また、フラット35では、年収に応じた総返済負担率の基準が次のように定められています。
- 年収400万円未満の場合:総返済負担率30%以下
- 年収400万円以上の場合:総返済負担率35%以下
総返済負担率とは、年収に対する年間のローン返済額の割合を示す指標です。仮に年収500万円の人がフラット35を申し込む場合、総返済負担率の上限は175万円(500万円の35%)となります。
参考:フラット35「【フラット35】ご利用条件」
建物の要件
フラット35を利用するためには、購入するマイホームが住宅金融支援機構が定めた技術基準を満たす住宅であることも求められます。
一戸建て新築住宅の場合、次の条件を満たす必要があります。
- 接道(原則一般道に2m以上接する)
- 住宅の規模(住宅部分の床面積):70平方メートル以上
- 住宅の規格:原則2以上の居住室(家具等仕切り可)
炊事室、便所及び浴室の設置 - 併用住宅の床面積:併用住宅の住宅部分の床面積は全体の2分の1以上
- 戸建型式など:木造の住宅(※3)は一戸建てまたは連続建てのみ
- 断熱構造:断熱等性能等級4以上かつ一次エネルギー消費量等級4以上
または建築物エネルギー消費性能基準を満たす - 住宅の構造:耐火構造もしくは準耐火構造
または耐久性基準に適合 - 配管設備の点検:点検口などの設置
- 区画: 住宅相互間等を1時間準耐火構造などの界床・界壁で区画
これらの条件を満たすと適合証明書が発行され、フラット35の審査に通過できるようになります。新築住宅の場合は建築確認と工事完了時に適合証明の審査を受ける必要があるため、不動産会社や施工業者と相談しながら手続きを進めましょう。
参考:フラット35「【フラット35】 新築住宅の技術基準の概要」
フラット35を利用するメリット
フラット35を利用してマイホームを購入すると、次のようなメリットを期待できます。
- 固定金利で安心して利用できる
- 返済方法の変更が柔軟
- 民間の金融機関より審査に通りやすい傾向がある
それぞれ民間の住宅ローンには無いメリットです。詳細をチェックし、フラット35の利用を検討してみましょう。
固定金利で安心して利用できる
金利が返済期間中ずっと変わらない点が、フラット35の特徴的なメリットです。市場金利の変動や物価上昇に影響されず、将来にわたって安定した返済計画を立てられるようになります。安心して家計を立てられるようになるでしょう。
住宅ローンの返済期間は長期にわたるものです。返済期間の間に市場金利が上昇する可能性は否めません。しかしフラット35であれば金利が固定されているため、金利変動のリスクを回避できるのです。
一方、変動金利と比べて金利がやや高めに設定されている点には注意が必要です。加えて市場における金利が低下した場合でも、最初に契約した金利が適用され続けるため、結果的に高い金利を払い続けることになる可能性もあるでしょう。
返済方法の変更が柔軟
フラット35は、借入後の返済方法を柔軟に変更できる点もメリットの一つです。住宅ローンを長期間にわたって返済する中で、収入の変化やライフスタイルの変動に対応しやすい仕組みが整っています。
引用:フラット35「返済方法の変更を希望するときは」
返済において変更可能な要素は次のとおりです。
- 振込期日の変更
- ボーナス払い月の変更
- 「毎月払いとボーナス払いの併用」から「毎月払いのみ」への変更
- 「毎月払いのみ」から「毎月払いとボーナス払いの併用」への変更
- 毎月払い分・ボーナス払い分の金額内訳の変更
- 元金均等返済から元利均等返済へ 又は元利均等返済から元金均等返済への変更
- 返済期間の短縮
引用:フラット35「返済方法の変更を希望するときは」
借入後も柔軟な返済方法を選択できるため、将来的なライフプランの変化にも対応しやすい住宅ローンといえるでしょう。
民間の金融機関より審査に通りやすい傾向がある
フラット35は一般的な民間の住宅ローンと比べると、審査に通りやすい傾向があるとされています。勤続年数が短い人や自営業・フリーランスのように収入が不安定な人にとって利用しやすい住宅ローンの一つと言えるでしょう。
民間の住宅ローンでは勤続年数や雇用形態などが厳しくチェックされることが多く、正社員として長く勤務している人ほど有利になりがちです。また、団信への加入が必須となっているケースが多いため、健康状態によっては審査に通りにくいこともあります。
ただし、フラット35ならば確実に審査に通過できるというわけではありません。通りやすいのはあくまで傾向であるため、審査基準と自身の状況をしっかり照らし合わせることが大切です。
民間住宅ローン審査基準については、こちらの記事でより詳しく解説します。ぜひあわせてご覧ください。
住宅ローン審査の基準を徹底解説!審査通過までの流れや落とされる理由も解説
フラット35を利用する際の注意点
フラット35の利用には多くのメリットがありますが、次の点に注意しておくことも大切です。
- 金利が比較的高めになる場合も
- 住宅の基準が独自
それぞれの注意点について解説します。
金利が比較的高めになる場合も
フラット35の固定金利は安定性の面でメリットがありますが、借入時の金利は変動金利型の住宅ローンに比べて高めに設定されます。金利が比較的高いため、返済負担が高くなってしまうリスクに留意してください。
また、変動金利型の住宅ローンでは、市場金利が低い時なら低金利で住宅ローンを利用できる場合があります。しかしフラット35では契約時の金利が完済まで適用されるため、市場金利が低い情勢では変動金利型よりも割高になる可能性もあるのです。
フラット35は長期的な安心感がありますが、負担がかかってしまうリスクとトレードオフである点には注意しておきましょう。
住宅の基準が独自
フラット35を利用するためには、住宅金融支援機構が定めた技術基準を満たす必要があります。一般的な民間の住宅ローンとは異なる独自の要件のため、独自の手間がかかってしまいます。要件を満たしていることの証明である適合証明書の取得も必須です。
適合証明書の発行には時間がかかることがあり、場合によって数週間程度かかることもあります。フラット35の契約は適合証明書の提出後となるため、住宅の引渡日を考慮した手続きも求められるでしょう。
また、技術基準に適合せず、適合証明書を得られなかった場合でも検査費用はかかります。費用面や手続きの負担などが具体的にどのようになるのか、事前に不動産会社へ相談しておきましょう。
フラット35が向いている人
メリットや注意点を踏まえると、次のような人がフラット35の利用に向いていると言えます。
- 安定したライフプランを立てたい人
- 健康に不安のある人
- 会社員以外の人
それぞれの詳細を解説します。
安定したライフプランを立てたい人
フラット35は借入時に返済額が確定し完済まで変わらないため、長期的なライフプランをしっかりと立てたい人に向いています。将来の収入変動に備えたい人や、家計管理を確実におこないたい人に合致した選択肢となるでしょう。
たとえば、子どもの教育費や老後資金の準備など、人生のさまざまな支出を見据えながら計画的に資金を管理したい場合に最適です。毎月の住宅ローン返済額が一定であることは大きな安心材料となるでしょう。
フラット35は長期的に安定した資金計画を立てたい人や、金利上昇リスクを避けたい人に適した住宅ローンといえます。反対に、市場金利に応じて返済額を抑えたい人には不向きかもしれません。
健康に不安のある人
フラット35は団体信用生命保険(団信)の加入が必須ではないため、健康面に不安がある人でも利用しやすい住宅ローンです。持病や病歴がある場合には団信の審査に通らずローンが組めなくなってしまいますが、フラット35ならば利用可能です。
一方、団信に加入しない場合は契約者に万が一のことがあった際に、遺族がローンの返済を続けなければならないというリスクがあります。また、フラット35で団信に加入する場合は金利が上乗せされる仕組みになっている点にも注意が必要です。
会社員以外の人
フラット35は自営業者やフリーランス、契約社員などの、正社員以外の人でも利用しやすい住宅ローンです。フラット35には勤続年数の制限がなく返済負担率を重視するため、一定の収入があれば会社員でなくても審査に通る可能性が高まるのです。
開業して間もない個人事業主やフリーランスとして独立したばかりの人でも、確定申告書などで収入を証明できれば、住宅ローンを利用できるでしょう。
ただし、審査では過去の信用情報もチェックされるため、クレジットカードや他のローンの返済履歴に問題があると、審査に影響が出ることもあります。
まとめ|フラット35の特徴と利用時のポイントを抑えておこう
フラット35は全期間固定金利で返済額が変わらないため、長期的なライフプランを立てやすい住宅ローンです。団信の加入が任意である、審査基準が比較的緩いといった点から、一般の住宅ローンより利用しやすいという特徴もあります。
一方で、変動金利型の住宅ローンと比べると借入時の金利が高めになる点には注意が必要です。市場金利が下がっても返済額は安くならないという点にも留意しておきましょう。
「どのような住宅ローンを選べばよいか不安」「フラット35が自分に合っているか判断しにくい」という方は、専門家への相談も検討しましょう。まるっとローンでは住宅ローンに関する相談を承っております。ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。